通報を受けたその住宅に近づくと ポーチに男がいる。 警察官はその男を見た瞬間、 銃を持っていることに気づく。
即座に「銃を地面に置け!」と指示をする。しかし男はくるりと背中を向けて 家に入ろうとした。
その時、警察官の脳裏に「背中を向けた相手を いきなり撃つことはできない。」という思いがよぎる。
周りに危険にさらされている人間も 見当たらない。
「どうすべきか」警察官が一瞬迷ったその瞬間、 男は振り向いて警察官を撃った。
警察官の反応は犯人の行動より遅すぎた・・・。
こちらは、ミネアポリス警察において訓練にて使用されたシミュレーションです。
用意された大きなスクリーンにその時の状況が映し出され、周りに小道具が置かれた状況下、警察官は改造された銃を持ってそのシミュレーションによって訓練を受けるのですが・・・
なぜこの警察官は撃たれてしまったのでしょうか?
その最大の原因は『思い込み』と『油断』です。
「本当に悪意ある人間であれば警察官に対して背中を向けるわけがない」という思い込みから油断の気持ちが生まれ、それが命取りになってしまったのです。
そしてこの警察官の話、トレードに通じる部分があると思い、紹介させてもらいました。
例えば12月6日、日経平均株価は445円安となり、今年最大の下げ幅を記録しました。
もしかしたらこの時、「やばい、いよいよ下落トレンドが発生する」という「思い込み」をしてしまった方も多いのではないでしょうか?
しかし結局下落後に相場は急反発し8日の終値は22,811円でした。
6日に下落した際、「いよいよ下落トレンドが発生する」と思い込み、買いポジションをロスカットしてしまった方は相当大きい損失を出してしまったことでしょう。ただ数日待っていたらそれだけで損失どころか利益を得られていたかもしれないのに・・・
そして、ここでお伝えしたいポイントは『思い込みを捨てなさい。』ということです。
断言しますが、株価は予想できません。
相場の世界は、「上がるだろう」とか「下がるだろう」とか、そんな曖昧な感覚に頼って勝てるような甘い世界ではありません。
適当に予想しても50%の確率で当たってしまうので、予想が一時的に当たり続けて「自分は相場が読めるんだ」と勘違いされる方もいらっしゃいますが、相場が上がるか下がるかピタリと言い当てることができる人間などこの世にはいません。
あのウォーレン・バフェット氏だって、悲惨な失敗を経験しています。
例えば、2008年米総合エネルギー大手コノコフィリップスに対して大規模な投資をした結果、数十億ドルもの損失を出してしまったこともあります。
そして株主に対して「私は、将来も必ず失敗する」と素直に伝えています。
世界No.1投資家でさえ、素直に失敗することを認めているのです。この世の中に相場を正確に予測し続けられる人間など誰一人として存在するわけがありません。
もしあなたが「相場を予想できるようになりたい」と考えているのならどうか「予想などできない」ということを肝に命じ、思い込みによるトレードをやめてください。
株の勝敗は〇〇の捉え方によって決まる
では、「思い込みは相場の敵である」ということをあなたが理解されたと信じて話を進めます。相場で勝つ人といつまで経っても相場で勝てない人の違いについてお伝えします。
相場の世界は5%以下の勝者とその他大勢の敗者で構成されています。敗者が失った資金をごく一握りの勝者が根こそぎ奪い取っていく残酷な世界ですが、一体何が、勝者と敗者を分けるのか?
まずは心理学者のキャロル・ドゥエック氏の研究を紹介させてください。
彼は、ニューヨークの私立中学校に通う中学一年生の中から成績が悪い生徒を選抜しその生徒を対象に「脳の仕組みと効果的な学習法」を教えるワークショップを開催しました。
そのワークショップが終わったあと、半数の生徒だけが集められて「懸命に努力して新しいことを学ぶと脳が新しい繋がりを作り、人を賢くする」という説明をします。「脳は発達する」という内容です。
残り半分の生徒には単に記憶に関する講演を聞かせます。
すると、学年が進むにつれて明らかに2つのグループの成績に差が見られるようになります。
最初のグループの生徒の方が良い成績を出すようになったのです。
この研究結果から分かったことは、「自分の知能は自分でコントロールすることが可能である、という意識を持てるかどうかが学習効果に大きな影響をもたらす」ということです。
また、キャロル・ドゥエック氏は「失敗した時に挫折する人間と2倍頑張って乗り越える人間の差は失敗の捉え方にある」と結論づけます。
つまり、失敗した時「自分が失敗したのは頭が悪いからでどうしようもない」と考える人間はその後何もしなくなるけれど、「努力が足りなかっただけで、頑張れば乗り越えられる」と考えられる人間は失敗を乗り越えられる、ということです。
さて、本題に戻りましょう。
「相場で勝つ人といつまで経っても相場で勝てない人の違い」はどこにあるのか?
お伝えしたキャロル・ドゥエック氏の研究を参考にして考えれば「この先に必ず利益が待っていると信じられるかどうかが勝者と敗者を分ける」と言えます。
トレードをしていれば必ず含み損を抱えます。時に大きな損失を被ることもあります。
「株で勝つことは本当に可能なのか?」と疑問に思う瞬間が必ずあります。
しかし、どんな失敗をしても「ああ、自分には才能がないから無理だ」と諦めず、「必ず利益を得られる」と信じて学び続けられる人間だけが勝者になれるのです。
人は利益が信じられない・・・
ただ、そうは言っても人間の心はそれほど強くありません。
例えば含み損をかかえても「最後には絶対利益になる」と信じられる人間はなかなかいません。
ですが・・・実は株アカデミーの会員様は皆さん仮に含み損を抱えたとしても「最後に利益が得られる」ということを信じられています。
なぜか?
それは、『含み損を含み益に変えるやり方』を知っているからです。
含み損が出ても「そんなことはあらかじめ想定できることであって適切に対処できる」ということをしっかりと理解し、実践されているので気持ちがブレないのです。
では、「含み損を含み益に変えていくやり方」とは、どんな方法か?
これからその方法についてお伝えします、と言いたいところですが・・・、本日は長くなってしまったので、また日を改めて紹介させてもらいます。
もし一刻も早く、その方法を知りたい方はこちらの体験セミナーにご参加ください。
それでは本日も最後までご覧くださいましてありがとうございます。
下山敬三
※参考書籍:『使える脳の鍛え方(NTT出版)』




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