こんにちは、下山です。
本日は、株で稼ぐ為に今すぐやめるべき『3つの愚かな行為』についてお伝えします。
大多数の方は株で勝つために、「必ず勝てる素晴らしい手法は無いものか」と血眼になって探しますが、手法を探す前にすべきことがあります。
それは、「愚かな行為をやめること」です。
せっかく素晴らしい手法を使っていても最初にこれがクリアされていなければまず勝てません。栓が閉まっていないバスタブにお湯を流し続けるがごとく、湯水のように資金を垂れ流し続けることになるでしょう。
では、愚かな行為とはどのような行為なのか?
ここから具体的に『3つの愚かな行為』について解説いたします。
あらゆる可能性を排除する愚かさ
先週26日、「ビットコイン(BTC)」の価格が国内取引所で一時、1BTC=100万円を突破しました。ビットコイン史上初です。
以前、1BTC=50万円くらいだった頃、「こんな価格は通過点に過ぎない。1BTC=100万円を目指すだろう。」と言う著名人の方がいました。
一方それに対して「いや、さすがにそこまでは無いだろう・・・」という批判的な声もたくさんありました。しかし、ビットコインは大方の予測をはるかに上回るスピードで100万円を突破してしまいました。そして、このような出来事からトレーダーが考えるべきは、『可能性を排除する愚かさ』です。
世の中には常識が存在し人はその枠組みの中で物事を考えがちですが、常識では考えられないようなことがいくらでも起こり得るのが相場の世界です。
ビットコインに関して言えば、そもそも何の実態も存在せず、その価値は誰にも保証されていないのに1BTC=100万円という価格がつけられていること自体、異常なことだと言えます。
つまり、すでに「ありえない」ことが起こっているのです。
極端なことを言えば明日、想像もできないようなトラブルが発生し、ビットコインのシステムが崩壊し、1BTC=100万円の価値がゼロになったとしても何ら不思議なことではありません。
そして、ビットコインに限らず、ありとあらゆる相場において「あり得ない」と言われているようなことはいつでも起こり得るのです。ですからトレーダーはありとあらゆる可能性を排除してはいけないのです。可能性を排除することは非常に愚かな行為だと言えます。
他人と比べて何の得があるのか?
では2つ目。
『他人と比べる愚かさ』についてお伝えします。
続けてビットコインの話をしますが、1BTC=100万円を突破した今、現実にビットコイン取引でとんでもない金額を儲けている人がいます。
そしてそのような人の話を聞いてあなたはとても羨ましく思うかもしれません。嫉妬するかもしれません。人間ですから多かれ少なかれ人の利益はうらやましく思えるものです。
しかし、よーく考えてみてください。
赤の他人がいくら儲けようと、あなたには関係の無い話ですよね?
それなのに、他人の結果にイライラしたり感情を動かされて、時間の無駄だと思いませんか?
他人をうらやましいと思うその時間を使って何かしら稼ぐための行動をした方がよっぽど有意義です。人と比べることほど愚かなことはありませんので「誰がいくら稼いだか、そんなことはどうでも良いこと」ということをご理解ください。
でも、それでもやっぱり他人の損益を気にしてしまう方もいるかもしれません。
「一瞬にして数百万円の資金を億にした」みたいな話を聞いてソワソワしてしまう方もいるかもしれません。
そのような方にお伝えしたいことは、「例えば価格が上がり過ぎたビットコイン価格に浮かれて他人に自分の利益額を言いふらすような人は、いつかビットコインが暴落した日に血の涙を流す可能性が極めて高い」ということです。
欲に目が眩んで浮かれるトレーダーは一時的に稼げたとしても9割9分、いずれどん底まで落とされる運命にありますので、羨ましがるより、むしろ哀れみの目で見てあげれば良いのです。
どうか他人の実績に心を揺さぶられるようなことが無いようお気をつけください。
価値を見極めることは不可能
では最後3つ目です。
『価値を見誤る愚かさ』についてお伝えします。
人は価値を見誤ります。
大多数の方が、「精密に分析すれば適切な価値判断ができる」と考えているはずですが、基本的に人は正しい判断はできないとご理解ください。
なぜそう言い切れるのか?
『影響力の武器(誠信書房)』という書籍に次のようなことが書かれています。以下要約して引用します。
私たちはとてつもなく複雑な環境に住んでいる。
人類史上、これほどまでに複雑な環境は無い。
たった1日の間に私たちが会う人や出来事に対しても
それら全ての特徴を理解して分析することは極めて困難だ。
だからこそ、人間はそれに対処するために「簡便法」を用いることが必要になる。
つまり、経験則などを使い、鍵となるいくつかの特徴に基づき、物事を分類し、
何らかの特徴が見つかれば、じっくり考えずに
その特徴に対して反応することが求められる。
簡単に言うと、今の時代、物事があまりにも複雑に絡み合っていてそれをいちいち紐解いて理解することは極めて難しいので、物事を素早く判断するために「簡便法」を使わざるを得ない、ということです。
では簡便法とはどういったものか?
例えば、
「価格が高ければ → 価値が高い」「有名な専門家が言うのであれば → 信頼に値する情報」
という具合にAならばBという感じで深く考えずに自動的に判断する方法のことを指しています。ちなみに、『影響力の武器(誠信書房)』には、トルコ石を売るあるジュエリーのお店に関するエピソードが書かれています。
なかなか売れないトルコ石を何とか売ってしまいたい、と考えた店のオーナーは「ここに並べられたトルコ石の価格を2分の1にして!!」と書かれたメモを売り場の主任宛てに残しました。すると数日後、そのトルコ石は完売しました。
ただ実は、半額にした戦略が当たったわけではありませんでした。現場主任に状況を聞いたところ、意外な答えが返ってきたのです。なんと売り場主任は「2分の1」を「2倍」と読み間違えして、トルコ石を2倍の価格で販売していたのです。
つまり、価格を2倍にしたら完売してしまったのです。意外ですよね。高くしたら完売したのです。
なぜこのような結果になったのでしょうか?
お客さんは「価格が高いということは信頼できる良いものだ」と無条件に考え、トルコ石を買って行ったということです。トルコ石が実際にどれだけ価値があるのか、ということを適切に判断できる人間はそういません。
ですからお客さんは価格だけを頼りにそのトルコ石の価値を判断した、というわけです。
そして、トルコ石を買ったお客さんのように、人は物事を素早く理解するために本能的に簡便法を使っているのです。
もちろんトレードにおいてもそうです。
例えば、「有名なアナリストが言っていることだから正しいに違いない」とか、「ここまで株価が暴騰したのだからもう反転して下落するに違いない」とか、ロクに根拠もなく、勝手に決めつけて盲目的に相場を見てしまう傾向にあります。
ですからここでは、「価値を正しく判断することは極めて難しい」ということをしっかりと理解されてください。
あらゆる可能性を排除しない手法を探し求めてください。
以上、
- 『可能性を排除する愚かさ』
- 『他人と比べる愚かさ』
- 『価値を見誤る愚かさ』
3つの愚かな行為についてお伝えしました。
勝てる手法を探すことも大切ですが、手法を探す前にまずはこちらのことをご理解ください。
このような愚かなことをし続けていればどんな手法を使ったとしても絶対に利益は生まれません。そして、ついでにお伝えすると手法を探す際にはあらゆる可能性を排除しない手法を探し求めてください。
つまり、株価が上昇しても、下落してもいずれにしても利益が出せるような手法を選ばれてください。
このようにお伝えすると、「下落したらロスカットすれば良い」くらいに考えられる方もいるかもしれませんが、ロスカット頼みだといつか精根尽き果てて資金を失うことになるでしょう。何度も何度もロスカットをし続けられるほど人間の精神は頑丈にできていませんからね。
ロスカットがいかにトレーダーの精神を蝕むかは経験者の方であれば身をもってご理解されているはずです。
それでは本日はここまでです。
あなたのトレードの参考にしていただければ幸いです。最後までご覧くださいましてありがとうございます。
下山敬三




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