「解散総選挙=買い」の大嘘

過去から予測しようとしないで

こんにちは、下山です。

ご存知の通り、10月22日、衆議院選挙が行われますが、選挙がらみの投資情報もここ最近、たくさん流れていますね。

例えば、「解散総選挙は買い」とか、「自民党の議席が過半数を割ったらその後3ヶ月は株価が下落する」とか・・・

アノマリー的なことが色々と言われています。

では、実際のところどうなのでしょうか?

選挙の結果によって相場は動くのでしょうか?

過去相場を振り返る

本日はまず始めに、2000年以降に絞って総選挙が行われた際の過去相場を振り返ってみましょう。

下記に2000年以降に総選挙が行われた日程と解散時の内閣総理大臣を挙げてみました。

 

  • 2000年6月:森内閣
  • 2003年10月:小泉内閣
  • 2005年8月:小泉内閣
  • 2009年7月:麻生内閣
  • 2012年11月:野田内閣
  • 2014年11月:安倍内閣

 

では、それぞれの選挙が行われた後に日経平均株価は上昇したのかそれとも下落したのでしょうか?選挙後の株価を確認すると、下記のような結果になっていました。

 

  • 2000年6月:森内閣 第二次森内閣発足 下落
  • 2003年10月:小泉内閣 自民が過半数を獲得 上昇
  • 2005年8月:小泉内閣 自民圧勝 上昇
  • 2009年7月:麻生内閣 政権交代 下落
  • 2012年11月:野田内閣 民主党大敗 上昇
  • 2014年11月:安倍内閣 自民党圧勝 上昇

 

  • 2000年「神の国解散」総選挙の結果第二次森内閣へ移行し、選挙直後は若干上昇するも結局は下落に向かう。
  • 2003年「構造改革解散」総選挙の結果、自民が過半数を獲得したものの、株価はいったん下落。しかしその後上昇。
  • 2005年は「郵政選挙」この時は自民党が圧勝し、株価もそれに追随して綺麗に上昇。
  • 2009年「政権選択解散」総選挙の結果、政権が民主党に交代。そして株価も下落。
  • 2012年「近いうち解散」とも呼ばれる。この総選挙では自民党が再び巻き返す。民主党は大敗し、株価も再び綺麗に上昇。
  • 2014年「アベノミクス解散」こちらの総選挙は記憶に新しいところでありますが、やはり自民党が強く、株価はしばらくもみ合った後に上昇。

 

ざっと自民党の勝敗と株価の関係性を振り返ると上記のようになっていますが、やはり自民党が勝てば株価は上昇し、民主党が勝てば株価は下落する、といった傾向が見えてきますね。

ただし・・・実際に相場を見ていただければ分かるように、上昇するにしても下落するにしても必ずしも綺麗に上昇したり下落しているわけではありません。上下にもみ合ってから最終的に上昇に向かったり、下落するケースもあります。

ですから、例えば「自民が勝てば上昇」ということを頭に入れてトレードしていて、実際にその読み通りに株価は上昇したとしてもその途中で大きい下落になることもあり、その際に、「あれ、今回は違うのか」なんてことを考えて無駄なロスカットをしてしまい、大金を失う、なんてこともあり得ますね。

 

また、上記のように一見選挙結果と相場の動きには相関関係があるようにも見えますが、「本当に選挙の影響を受けて相場が動いたのか?」ということを考えると、必ずしもそうとは言い切れない面があります。

例えば2005年の総選挙時は選挙直前に日銀と政府が「踊り場脱却宣言」をしていたり、銀行が黒字回復するなど、ポジティブな材料があってそれらの材料が株価上昇をもたらした、と言えます。

2012年、2014年の選挙時も、日銀とFRBがそれぞれ追加緩和を実施しており、選挙よりもそちらの材料が株価上昇に寄与したと考えられます。

つまり、自民党が勝つことと相場が上昇することの相関関係はそれほど大きくないケースも多い、ということです。

そして、今回の総選挙に関しても、日本株を買っている投資家の7割を占める外国人投資家の方々は、日本の総選挙よりも、北朝鮮に関する地政学的リスクだったり、日本の選挙以外に注意を向けいている状態にある、といった声も聞かれます。

ですから、「自民が勝てば相場は上昇する」といった安易な考えでトレードに臨まない方が良いでしょう。

まあ、そもそも100%確実な因果関係など相場には存在しませんからね。

どうか世間の声に耳を傾けすぎて大きい損失を被らないようにお気を付けください。

予測をするな!!

ただ、こういった話をしても人間というものはどうしても見たり聞いたりした情報に引っ張られる傾向があります。影響を受けないように努力したとしても自身の意思ではなかなかそれを回避できません。

多くのトレーダーの方は「解散総選挙=買い」といった情報に引っ張られたトレードをしがちです。

それが人間の本能なのです。

例えば、相場から少し話題が離れますが、カリフォルニア大学認知神経科学者であるマータクタス教授は、

人は文脈から、次の単語などを類推して文章を読んでいる」という研究を発表しています。

http://www.nature.com/neuro/journal/v8/n8/full/nn1504.html

つまり、これまでの経験によって蓄積された情報などからこうきたら次はこう来るだろうということを類推して文章を読んでいるということです。

これは文章を読むときの研究ですが、人間はあらゆる場面において過去の経験則に基づいて「こうなれば、次はこうなる」ということを類推しながら生きるものなのです。

 

よくお笑い番組なんかを見ていると、芸人さんが同じボケを繰り返して、3回目に違ったボケをして、「ボケへんのかい!」とツッコまれる、みたいなくだりがありますが、3回目も同じボケが来るだろうと視聴者が期待しているところをあえて外して笑いに変える、みたいなことですよね。

「当然これがくるだろう」という視聴者の推測があることが前提となっている、くだりです。

とにかく、人間は本能的に過去の経験から未来を予測しながら、生きる生き物なのです。これができなければ同じ過ちを何度も繰り返すことになりますからね。

そして、だからこそ例えば「選挙=買い」という話を一度でも聞いてしまうとそれに引っ張られてトレードをしてしまうものなのです。

「いや、自分は大丈夫」と思われるかもしれませんが、「このチャートは前にも見たチャートだ!」と思い込んでしまい、相場のダマしにやられてしまったような経験はありませんか?

しかも次に似たようなチャートに出会ったタイミングには、「もうだまされないぞ」なんて考えて今度は前に見たチャートと同じような動きを見かけても2回目に経験したチャートの通りに相場が動くと想定してまた読みを外して損失を出す、みたいな悪循環に陥ったり・・・

こういったトレードの失敗もやはり、思い込みが原因です。

相場には、全く同じ相場というものは存在しません。

姿形は似ていても同じ人間がこの世に2人存在することが絶対にありえないように、まったく同じチャートも二度と現れません。

なのにトレーダーは経験則から「こうなるだろう」と決めつけてしまい痛い目を見たということですね。

そして結論としてお伝えしたいことは結局人間は思い込みから逃れられないし、過去の経験則に従ってトレードしている限り利益は出せない、ということです。

ではどうすればよいのか?

自分はそういった思い込みから完全に脱却するために、「相場の予測に一切頼らないトレード」を実践しています。

相場が上昇しようと、下落しようと必ず利益になるようにするためにはどういったポジションの持ち方をすれば良いのかということを徹底的に考えてトレードしているわけです。

結果、7年負けなしです。

もちろん、これからも確実に利益を出し続けられる自信もあります。

決して「下山流の手法でトレードしてください」なんていうつもりは毛頭ありませんが、

あなたが今利益をだせていないのであれば考え方だけでも参考にしてみてください。

そして、「どうしたら予測に頼ることなく利益を出せるのか」ということを考えてみてください。

あなたが選挙にまつわる世間の話題に洗脳されることなく御自身のトレードスタイルを貫き利益を出し続けられることを心から願っています。

それでは本日も最後までご覧くださいましてありがとうございます。

 

下山敬三

PS:

もし予測に頼らないトレードに興味がおありでしたらぜひこちらのセミナーで下山流の手法を試されてください。

利益が出ることを確実にご理解いただける自信があります。

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