こんにちは、下山です。
『5.23億XEMの463億円相当を自己資金で保障』このニュースに命拾いされた方もいらっしゃるでしょう。
大手仮想通貨取引所のコインチェックが外部から不正なアクセスを受け仮想通貨「NEM(ネム)」が流出したとの報道を受け、絶望した方もいらっしゃったかと思いますが、とりあえずは落ち着きを取り戻されたのではないかと。
今回問題を起こしたコインチェックの代表は和田晃一良氏ですが、以前、知人から和田氏について話を聞いたことがあります。
その知人は都内のシェアオフィスを仕事場にしていたのですが、そのオフィスのラウンジで和田氏がよく打ち合わせと開発をしていたのを見かけたとのこと。
仮想通貨がまだ世の中に認知される前の話で、STORYS.JPというサイトの開発をされていたそうです。
STORYS.JPは書籍化、映画化されて話題になった「ビリギャル」などを生み出したサイトですね。
知人は和田氏と直接面識があるわけはありませんが、「気づいたらSTORYS.JPが大きくなっていて驚いた」みたいな話をしていました。
STORYS.JPは和田氏が実質ほぼ1人で作り上げたそうですが、きっとプログラマーとして優秀な方なのでしょう。
知人の話し振りからそう感じました。
今回の件は、はたから見ればセキュリティに対してもっとできることがあったのではないか、という印象も受けます。ですからきっと反省すべき点はあるのでしょう。
ただ、返金されるということですし、今回の件を通じて若い才能が潰されなければ良いなと感じます。
分かりづらい仮想通貨の専門用語
ちなみに、今回の報道を見ていて、色々と疑問を持たれた方も多いのではないでしょうか?
例えば記者会見での記者とCOOである大塚氏によるこちらのやりとり。
【記者】:顧客資産の管理について。「コールドウォレット」で管理してたのかどうか。
【大塚氏】:今回に関しては「ホットウォレット」に入っていました。
他にもこちら。
【記者】:「マルチシグ」を行なっていないということは、それはセキュリティが甘いということじゃないか。
【大塚氏】:そこの準備に至れてなかったというかたちです。
または、NEM財団が「ハードフォークを行わない」という話題もありますが、
『コールドウォレット』『マルチシグ』『ハードフォーク』など専門用語がよく分からない、と思われた方も多いかと思います。
そこで、ここからは仮想通貨のシステムについて基本的なことをできるだけ簡潔に解説してみたいと思います。
自分としては仮想通貨に投機目的で手を出すことをオススメするつもりはありませんが、仮想通貨に関心がある方も多いので、仮想通貨で絶望的な金額を失うことの無いように最低限知っておくべき知識を共有いたします。
NEM?XEM?違いは何?
まず始めにNEMに関する基本的な話から。報道やSNSを見ていると、NEM(ネム)とXEM(ゼム)という名称が使われていることに気づかれた方も多いかと思います。
「NEM(ネム)とXEM(ゼム)の違いは何だ?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。
XEM(ゼム):プラットフォーム上における仮想通貨、またその通貨の単位
簡単に言うと、NEM(ネム)はブロックチェーン技術の名前です。
ビットコインのブロックチェーン技術をより効率的かつ単純に拡張できるように進化したのがネムというブロックチェーンのシステムです。
実はビットコインのブロックチェーンには欠点があり、改良の余地がありました。
例えば送金スピード。ビットコインのブロックチェーンは1秒間に7つしか承認作業ができません。非常に遅いのです。
その欠点を改善したのがNEMです。NEMはなんと1秒間に3000もの承認作業が可能です。7と3000、雲泥の差ですね。
ちなみに、NEMの開発には日本の取引所でもあるザイフが関わっていますので、日本で話題になる機会は比較的多いですね。
で、一方のXEM(ゼム)ですがXEMはネムのプラットフォーム上における仮想通貨です。
また、XEMは単位でもあります。「5.23億XEM」という報道があったように、通貨の単位がXEMです。
NEMとかXEM、ややこしいかもしれませんが、まあそこまで気にせずなんとなく雰囲気で知っておけば良いのではないかと思います。
公開鍵と秘密鍵ってなに?
では、「コールドウォレット」「マルチシグ」「ハードフォーク」について解説しようと思ったのですが、今回はその前に、まず大前提として知っておくべき「公開鍵」「秘密鍵」についてお伝えさせてください。
仮想通貨における最大の課題は何でしょう?
セキュリティですね。
セキュリティが脆弱であれば全く使い物になりません。あなたが持っている仮想通貨が勝手に奪われるようなことがあるのなら、絶対に使いたくないですよね。
または取引が勝手に改ざんされるようなことがあってはいけません。
そこで、そんなことが起こらないように2つの鍵が用意されています。
「公開鍵」と「秘密鍵」です。
と言っても初めて聞かれた方はよく分からない単語が出てきた瞬間に嫌な気持ちになってしまうと思うので、とりあえずは「そういうものがあるんだ」くらいに考えてください。
では、「公開鍵」と「秘密鍵」について、分かりやすいように馴染みがあるであろうビットコインを例にして解説していきます。
例えばあなたがAさんに1ビットコインを送るとします。
その時、そのまま送ってしまうと、途中誰かに見られて取引を改ざんされてしまう可能性があります。
そこで、あなたは暗号化して送るわけですが、その暗号化する際に使用するのが「公開鍵」です。
「公開鍵」とはその名の通り、世界中に公開されている鍵のことです。
あなたはその公開鍵を使って「ビットコインアドレス」というものを作ります。まあ細かい部分はあまり気にしなくても良いのですが、とにかく暗号化して送ります。
ただ、ここで1つ問題があります。
Aさんがあなたからビットコインを受け取る際、Aさんはその暗号を解かなければいけませんので、あなたはその暗号を解くための鍵も送らなければいけないわけですが・・・、もしかしたら途中でその鍵が盗まれる可能性があります。
いくら暗号化しても鍵が盗まれてしまえば意味がありません。
ですから絶対に鍵が盗まれない状態で送らなければいけませんが、これはなかなか至難のわざです。鍵の盗難を防ぐことは非常に難しいことです。
そこで登場するのが、もう1つの鍵である「秘密鍵」です。
秘密鍵をまともに説明するとややこしいので秘密鍵を南京錠だと思ってください。
まずあなたはAさんからロックがかかっていない状態の南京錠を送ってもらいます。南京錠の鍵はAさんの手元に置いたままです。
そして送ってもらった南京錠を使ってあなたはロックをします。
この時点であなたは南京錠のロックを解除することはできません。鍵はAさんが持っていますからね。
あとは南京錠のロックがかかった状態でビットコインをAさんのアドレス宛に送れば良いだけです。
Aさんは手元に置いてあった鍵を使い南京錠を解除し、送られてきたビットコインを無事に受け取ることができる、というわけです。
もちろん、南京錠はたとえです。
実際に南京錠を送るわけではありません。
実際には、先にあなたが公開鍵で作成したビットコインアドレスにAさんが「秘密鍵」で署名をすることで、暗号化し、最終的にAさんにビットコインが送付された時、Aさんだけが暗号を読み解ける状態になる、という流れです。
もちろん、細かい話は省いて説明していますので100%完璧な説明ではありませんが、「公開鍵」「秘密鍵」についてなんとなくご理解いただけましたか?
ちなみに、秘密鍵は「これはAさんのビットコインですよ」ということを証明する唯一の証拠でもありますので秘密鍵は誰にも見られてはいけません。
ですから、その秘密鍵を安全に保管しなければいけませんが、秘密鍵を保管する場所が「ウォレット」です。
ウォレットにはいくつかの種類があるのですが・・・、説明が長くなったので、「コールドウォレット」や他の「マルチシグ」「ハードフォーク」といった言葉などに関してはまたの機会に解説いたします。
あなたがもし仮想通貨の取引をされるのであればセキュリティ対策を怠ったことが理由で仮想通貨が奪われないようにしっかりと対策を施すことが必要です。
それでは本日も最後までご覧いただき、ありがとうございます。
下山敬三
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