こんにちは、下山です。
2012年12月に始まった「アベノミクス景気」が、1990年前後のバブルを抜き、戦後3番目の長さになり、先月は日経平均株価が1年半ぶりに先月2万円の大台に乗せました。
まあ、実感として好景気を感じている方は少ないとは思いますが・・・いずれにしても株価が上昇していることは事実です。
そして上昇の波に乗り遅れてしまい「今株を買って良いのかどうか・・・」という迷いの声も聞こえてきます。高値掴みの可能性もありますからね。
では、こういった状況下において常勝を目指す投資家はどういった行動を取るべきでしょうか?
傍観か?それとも積極投資か?
あなたはどちらが正解だと思いますか?
参考として2人の大物投資家の名言を紹介しておきましょう。
まず1人目は、本多静六(ほんだ せいろく)氏です。
貯金と株式投資によって40代で約100億円(現在価値)もの資産を築き上げた歴史的投資家です。
氏はこんな言葉を残しています。
投資戦に必ず勝利を収めようと思う人は、
何時も、静かに景気の循環を洞察して、
好景気時代には勤倹貯蓄を、
不景気時代には思い切った投資を、
時機を逸せず巧みに繰り返すよう
私はおすすめする。
(本多静六)
つまり、この言葉に従うのであれば、今のような好景気の局面では、「何もせずただ貯蓄をすべきだ」ということになりますね。
ではもう1つ。
言わずと知れたウォーレン・バフェット氏の言葉です。
「他人が貪欲になっている時は恐る恐る、
周りが怖がっている時は貪欲に」
(ウォーレン・バフェット)
本多静六氏の言葉とは若干異なりますが、意味合いとしては非常に近いですね。
つまり、今のように多くの投資家がリスクオン状態で株価の上昇を期待している時こそ、慎重にならなければいけない、ということです。
そして、2つの言葉をまとめるならば「今は何もしないか、買いポジションを持つにしてもかなり慎重になるべきだ」ということになりますね。
ただ・・・トレーダーとして「何もしない」という選択に我慢できる方はきっと少ないでしょう。
「ポジションを持っていないと落ち着かない」とおっしゃる方はかなり多いですし、「持たざるリスク」を意識される方もたくさんいらっしゃいます。
そこで、今のような株高の状況においても確実に利益をあげるためのヒントとなる話をさせてもらいます。
対処すべきは含み損のみ
突き詰めて単純に考えれば、株トレードは含み損さえ正しく対処出来れば、間違いなく勝てる世界です。トレードには含み益か含み損、もしくは損益ゼロの状態しかありませんから、当然ですね。
ただ、ここで1つ問題があります。
「含み損」の対処法と聞けば大抵のトレーダーが反射的に「ロスカット」をイメージされるということです。
はっきり言わせてもらいますが、実はロスカットを考えている時点で負けトレーダー確定です。
もちろん、世間ではロスカットをすることが何よりも重要だと言われていることも重々承知していますし、あなたは「いやいやロスカット考えないことこそ負けトレーダーだろ」と思われたかもしれませんが・・・
そんなあなたに1つ質問させてください。
正しいタイミングでロスカットすることができますか?
おそらく・・・なかなかできていないですよね?
「ロスカットしなければいけないことを頭では分かっていてもどうしてもできない」というタイプの方が大半でしょう。
「いや、私はできる!」
とおっしゃる方もいるかもしれませんが、完璧にできる方はそういないでしょう。なぜなら“人間がそのように作られているから”です。
どういうことか?
あなたがロスカットをできないその理由を心理学的見地から解説するために、まずは、ある実験を紹介させてもらいます。
人間の心理を暴き出す「くじ引き実験」

オランダのティルブルフ大学にてある実験が行われました。
学生には、タダでくじ引きが与えられます。くじの景品は15ユーロの図書券です。そして、学生が1人ずつくじ引き券を係りの人に見せていきます。
その時、係員はくじ引き券をチラッと見てこう言います。
「無料で他のくじ引き券に交換できますが、どうしますか?その場合、ペンを1本プレゼントします」
と。
あなたならどうしますか?
くじ引きに当たる可能性は変わらないけど、ペンが1本もらえるのなら、もちろんくじ引き券を交換してもらった方がお得ですよね?
しかし、この実験で実際にくじ引き券を交換した学生は56%のみでした。ほぼ半数の学生は明らかに得する条件を捨てたのです。
なぜか?
ポイントは、係員が番号をチラッと見てオファーしている点です。
この仕草によって学生の頭の中には「もしかしたら自分の番号はハズレだと係員が気付いてこんなオファーをしてくるのではないか?」という疑問が浮かぶのです。
そして、「ここでくじ引き券を交換してくじに外れてしまったら後悔するのではないか」と考えて、結局くじ引き券を交換しない、という選択をするのです。
学生の心の中に「後悔したくない」という後悔回避の原理が働き、それが、くじ引き交換を妨げたのです。
(参考文献:「お金に支配されない13の真実(あさ出版)」)
ロスカットできない本当の理由
では、この実験が“ロスカットできない理由”とどう関係あるのか?
もうすでにお気づきかと思いますが・・・
ロスカットができないのもこの大学生と同じように「後悔したくない」という感情が1つの原因となっている、ということです。
例えば、あなたが日経225でトレードされていたとしましょう。
そして株価が20,000円を突破してどんどん上昇すると考え、20,000円の買いポジションを持ったとします。しかし、相場は下落、ついに日経平均株価は19,000円まで下落したとします。
1,000円以上の含み損です。
1ポジションあたり実質10万円の損失です。
「さあヤバい」ということであなたは、そろそろロスカットをしなければと思いますが・・・あなたの心に、”ある疑問”が思い浮かびます。
「本当にこのまま19,000円を割ってどんどん下落するのか?」という疑問です。
そして、「また20,000円まで回復するのではないか?もしロスカットをした後に相場が20,000円なんかに上昇したら後悔する!」とあなたは考えます。結果、ロスカットができないままズルズルとポジションを持ち続けてしまうのです。
このように人は後悔することを回避するように作られているため、ロスカットをすることは極めて難しいのです。
ロスカットをせず勝つための方法
ここまでの話からロスカットは極めて難しい、ということをご理解いただけたかと思いますが・・・ではロスカットをせず勝つ方法はあるのでしょうか?
もちろんあります。
それは、“反対ポジションを持つ”ということです。
例えば上記のケースでしたら売りポジションを持って、一旦含み損を固定してしまうのです。
買い:20,000円
売り:19,000円
をそれぞれ保有している状態にしましょう、ということですね。
ただ、もちろんこのままではいつまでたっても含み損を抱えたままです。そこで考えるのはもう1つポジションを持って1,000円分の利益を生み出すことです。
いえ、1つのポジションで無理して1,000円の利益を出さなくてもOKです。例えば3つのポジションを持って1,000円の利益を獲得するということでもOKです。
とにかく一旦含み損の増加を止めて、他のポジションで利益を生み出して含み損を補填することで、自分は基本的にロスカットをせずに利益を獲得するのです。
ただし、この手法はどんな銘柄にでも通用するわけではありませんし、損失を固定した後に、他のポジションを保有してさらに含み損が膨らんだ時の対処法など、細かいテクニックがあります。
しかし、いずれにしても自分の場合は資金を5つに分割した上で紹介した手法を実践して、事実、7年にわたり利益を獲得し続けています。
「本当にうまくいくのか?」と思われるかもしれませんが、信じられないのであれば、こちらをご覧ください。ロスカットをしないこの手法に関してより深いテクニックをお伝えします。
⇒ http://kabu-ac.com/naminori_seminar/
ロスカットせずにノンストレスで勝ち続ける手法、ぜひ参考にされてください。
それでは本日も最後までご覧くださいましてありがとうございます。
下山敬三



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