無視できない!米株暴落を示唆する日経新聞記事

こんにちは、下山です。

ここ最近、「NYダウ、そろそろヤバいのでは?」という話を聞きます。

例えば、先週10月20日付の日経新聞にも「見えないリスクに警鐘」と題し、

『今のアメリカ株市場に、見えないリスクが育っている可能性がある』という内容の記事が掲載されていました。

リスクが眠っている、と考えられる根拠として挙げられていたポイントは2つ。

  1. 昨年末比で米国株が調整安を経ずに17%も上昇している点。
  2. 米エール大学のシラー教授考案の「シラーPER」という指数の値が1987年のブラックマンデー当時の水準を大きく上回っていて、2000年のITバブル時の水準に接近している点。

そして、仮に何かのきっかけで株価が大きく下落し、自動売買を駆使するヘッジファンドの運用残高(世界で約100兆円)が逆回転したらその影響は計り知れない、とのこと。

例えば、2000年当時、ゴールドマン・サックスにはトレーダーが600人いたのに、今や自動取引プログラムに置き換えられ2人のトレーダーしか残っていないというニュースもありましたが、プログラムによる取引が猛威を振るう中世界の資金が逆回転し始めれば世界中のプログラムが猛烈な勢いで売りを入れ始め、それによって相場が暴落する可能性もありますね。

記事には、過去のブラックマンデー当時は株に資金が集中していたからそのようなことになったが今は状況が違う、との反対意見も書かれていましたが、

いずれにしてもアメリカの株式市場が反落のリスクを抱えていることは間違いありません。

そして、もしアメリカの株価が暴落すれば日本株がその影響を受けないわけがありません。

ですから、日本株でトレードをされているにしてもいざという時のための資金管理だけは徹底する必要があります。

できない人ほど自己評価が高い

ただ・・・こういったお話をしてもまともに受け入れて大事件が起こる可能性を考えて前もって備えられる人は少数です。

なぜか?

人は基本的に「自分はうまくできる」と過信する生き物だからです。

しかも、残念なことに「実勢にはうまくできていない人ほど、自信過剰の傾向が顕著に現れる」ということが実験によって分かっています。

その実験とはノーベル賞受賞者であるコーネル大学のデイヴィッド・ダニング氏とジャスティン・クルーガー氏によって行われたものですが、被験者に対して、あるテストを実施し、テストの結果について自己評価させたところ、下位4分の1に属するグループの自己評価の平均は下から58%だったのです。

つまり、下位グループの被験者が「私は平均以上の能力がある」と思っていたということです。

一方で、得点が高かった人ほど、自分の能力を実際よりも低く見積もる傾向が見られました。

この傾向は「ダニング=クルーガー効果」と呼ばれますが、トレードの世界においても当てはまることです。

「自分はうまくトレードできる」と思って身の丈に合わない多額の資金を投入されるいる方ほど稼げず、「自分はまだまだ」と考えてしっかりとリスクに対して備える方ほど稼げる傾向があります。

しかも、人は他人に対して自分をよく見せようとするのは当然のこととして、自分自身に対しても自分をよく見せようとする傾向があります。

「自分はすごいんだ」と思いたい、ということですね。

それゆえ、大半の方は、自分の無能力さや不注意などを素直に自分の否としてなかなか認められないのです。

(「交通事故はなぜなくならないのか(リスク行動の心理学)」新曜社より)

ですから「自分は大丈夫」と思った方ほど、それが過信、勘違いである可能性もありますので、自身のポジションを確認していただき、本当に何が起こっても大丈夫なのか?ということを考えながら改めて資金状況を確認されることをお勧めします。

7年負けなしの資金管理術

では、正しい資金管理とは一体何でしょう?

世間一般的によく言われることは「投資に回す資金を全投資資金の3割にまで抑えなさい」ということですね。

例えば100万円の資金があれば実際にトレードに回す資金を30万円にまで抑える、ということになります。

でもこのような話を聞いてあなたはどう思いますか?例えばこんなことを思いませんか?

「せっかく資金が100万円もあるのに70万円も寝かせておくのは勿体無い!!!」と。

実際にこのように考えられる方は非常にたくさんいらっしゃいます。当然ですよね。

「1円でも多く稼ぎたい」と思って投資を始めているのですから資金を70%も眠らせておくことは一見矛盾した行為のようにも思えますから。

また、「資金の3割まで」というルールを守ってトレードできていたとしても「何百万円を一気に稼いだ」みたいな刺激が強い話を聞くと「おれも資金を寝かせている場合じゃない」なんて考え、ルールを破って一気に資金を投資される方もたくさんいらっしゃいます。

つまり何が言いたいかというと・・・、目の前にお金があったらどうしても使ってしまうトレーダーが非常に多い、ということです。

ですから、自分としては一般的に推奨される資金管理法は、現実には機能しない方法だと考えています。欲を我慢することはそう簡単なことではありません。

例えばすぐ近くに注意してくれる先生がいるならまだ守り切れるかもしれませんが、1人でトレードをしていたらやっぱり欲が出て守りきれなくなる方が大半でしょう。

じゃあどう資金管理をしたら良いのか?

自分は「全投資資金を使いながらも、リスクヘッジできる資金管理法」を利用してトレードしています。

資金を残しておくことで万が一に備えるのではなく、全ての投資資金を活用して反対売買をすることでリスクヘッジをしているのです。

もっと具体的に言うと、始めに全資金を5分割し、ポジションを持つ際に買いポジションと売りポジション戦略的に持つことで必ずいずれかのポジションで利益が生まれる状態を作り、リスクヘッジをしているのです。

「安全かもしれないけど、それで本当に利益出るの?」と思われるかもしれませんが・・・出ます

事実、この方法を使うことで自分は7年間ずっと利益を出し続けている状態です。

相場がどう転んでも大丈夫なように確実な資金管理をしているということこそが、精神的安定をもたらし、それが利益につながっていとも言えますね。

もちろんこの方法でなければダメということではありませんし、

あなたがどのような方法で資金管理をされるかは自由ですが、いずにしても何が起こっても大丈夫なように確実な資金管理を徹底することは忘れないでください。

それでは本日も最後までご覧くださいましてありがとうございます。

下山敬三

追伸:
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